病院見学・島ゆうなさん

名前島 ゆうな
所属Louisiana Tech University
訪問期間6月上旬~8月中旬の10週間
ヒューストンを訪問した理由・動機Certified Child Life Specialist or CCLS (チャイルドライフスペシャリスト) のもとで実習を行うためにヒューストンを訪問しました。この実習は私が在籍している大学の卒業必須単位です。Texas Children’s Hospital を実習先として選んだ理由は、『小児の中でも、特に心臓病により移植を待つお子さんとその兄弟姉妹を含む家族のサポートについて学びたい』と思ったからです。また、アメリカ国内だけでなく、世界各地から移植のために渡米してくるお子さんもいることから、『宗教や文化を尊重する体制も学びたい』と考えたからです。
滞在中に学んだことTexas Children’s Hospital はたくさんの人の”思い”が交錯し、支えあっていることが分かる場所でした。実習を通して、ボランティアや組織団体など病院外の社会資源があることが、子供たちの発達にどれだけのポジティブな影響を与えてくれるのか、またご家族の心のよりどころになるのかを学びました。ある団体はお子さんの入院しているお部屋をデコレーションしたり、別の団体は各種のイベントを開催したりするなど、子どもの笑顔を作ることができる資源がTexas Children’s Hospital にはたくさんありました。Heart CenterではHolly’s Heartから寄贈されたパジャマ(医療器具が付いていても、着心地がよく、脱ぎ着しやすいようにデザインされたもの)を着てディズニーのElementalを家族で楽しむMovie Dayを開催しました。チャイルドライフ部門が使うステッカーや玩具にも”思い”があり、多様性の町ヒューストンでは目の色や髪、肌の違う人形はもちろんのこと、手話を含む多言語の本が利用可能でした。通院や入院生活は我慢の連続で、病院環境はそれらを乗り越えなければなりません。もちろん制約や制限はありますが、それらを感じさせないくらいに子どもが子どもでいられる、そして家族が家族でいられることを提供できる資源と体制があり、そのことを日本でも実現させたいと強く感じました。子供が病院環境や治療行為に対して抱く、”こわい”や”ふあん”といった負の感情を”なぜ病院にいるのか”(手術、検査、治療、療養理由) ”自分の身にこれから何がおこり、どんな場所に誰と行くのか”(手術、検査、治療、療養の流れ)をチャイルドライフスペシャリストは子供さんの年齢や発達段階、そして会話中に読み取れる子供の反応に合わせて言葉を選び、与える情報量(手術、検査、治療、療養の詳細内容)を操作していました。”思ったより大丈夫かも”、”できるかも”といった正の感情への転換は、子供が主体的に治療に参加することを可能にしているように思いました。
ヒューストン生活の感想最高でした!「アメリカ生活、食べ物や英語が心配。冒険したいけど安心した環境も欲しい。」という皆様、ヒューストンはオススメです!私は、ヒューストンに来るまで三年半アメリカで過ごしましたが、言語の面では特に面白い州(地域)だと思います。アメリカは英語の国と思われがちですが、ヒューストンは日々の生活でもスペイン語やアラビア語が英語と同じくらいにいたるところから聞こえてきます。英語の発音に不安を抱いている方がいらっしゃいましたら心配無用です。第一言語が英語ではない国の人の英語も飛び交っていますので、「なまりもユニークだよね」と強みに変える雰囲気がヒューストンにはあります。食事に関しては、食べたい物はほぼすべて手に入れることができます。日本食には全く困りません。しかし、せっかくの多様性の街ヒューストンですので、いろいろな食に出会ってみるのも楽しいと思います。
宿泊先多くの方との偶然の出会いとご配慮により、結果として、素敵な日々をすごすことができたものの、当初は、宿泊先の選定に大変苦労しまし
た。Airbnb、Furnished Finde、homestay.comなど、短期間の宿を紹介するサイトを活用したのですが、金銭面と実習さきまでのアクセスを考慮した際に、思うような宿を見つけることができませんでした。そのため、Facebookでヒューストンメディカルセンター近郊にある複数の大学の学生さんやその他の方々がお互いにルームメートを探すグループを通じて宿を決めました。しかし、認識の違いや対応の不備があり、実習途中で住まいを変える形となってしまいました。Facebook等個人のやり取りでの宿泊決めは、口約束の形になってしまいますので、仲介があるものよりも、深く各種の情報等を吟味し対応する必要があると思います。
コメントヒューストンメディカルセンターエリアが、日本から研究や勉学で多くのドクターや学生が来られる場所であるとは知りませんでした。医学生ではない私を、医療チームの1人として迎え入れていただいたこと、そして数多くの出会いと学習機会ををいただいたことにとても感謝しています。私も、近い将来この医療分野でチャイルドライフスペシャリストとして活躍できるよう引き続き勉学に励みます。ありがとうございました。