Houston Methodist 病院見学記 2週目
神戸大学 6回生 沼 知里
神戸大学6回生の沼 知里です。JMTX奨学金にご選出いただき、Houston Methodist Infectious Diseases (ID)でObservershipをさせていただいております。あっという間に2週間が過ぎ折り返し地点に来てしまいました。これまでに学んできた感染症のキホンのキをまとめてみたいと思います。
感染症診療においては感染経路、感染臓器、疫学など問診で得られる情報から原因菌を同定することが重要です。これにより数日かかる培養結果が出る前に原因菌と感染臓器を基に抗生物質と投与経路を選択し治療を開始できます。すなわち問診では原因菌と感染臓器(疾患)を念頭におき必要十分な情報収集をすることが求められます。Jesus! This requires a terabyte memory storage! 加えて移植後感染症の患者さんは拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤を継続的に投与されています。そのため患者さんの脆弱性を念頭において予防的治療が必要のようです。来週またご紹介できるよう勉強します!
ほとんどのケースは基本に則り治療できるそうなのですが、ここTexas Medical Center (TMC)ではextraordinary casesが日々報告されています!今週のCitywide conferenceでは、MD Anderson Cancer Center IDフェローでJMTX理事の松尾 貴公先生が、肝細胞癌に対するCAR-T治療と合併症であるCytokine release syndrome予防の免疫抑制剤多重投与を背景に皮疹で発症したMucormycosis の症例をご報告されました。ディスカッションで「今回と同じ見た目のMucormycosisによる皮疹がこのCitywide conference で近年度々報告されていて典型的所見になりつつある。」とコメントがあり、目の前で起きている現象に学ぶ姿勢に感銘を受け、世界の最先端にいると感じました。
兒子 真之先生、福田 由梨子先生と松尾先生にセットアップしていただき、Houston Methodist IDのラボやSt.Luke’s Medical Center、Texas Children’s Hospital、MD Anderson Cancer Centerもご案内いただきました。ラボではβラクタム系抗菌薬に対する耐性の迅速検査(なんと3時間で結果が出ます!!)を実現するご研究をされているそうです。 St. Luke’s Medical Centerではレジデントのプレゼンテーションや福田先生のご指導を拝聴し、こんなプレゼンやディスカッションができるように自己研鑽したいと決意を新たにしました。MD Andersonでは松尾先生にTMCの歴史、IDでの歴代日本人フェローの献身やCVポートの誕生についてお教えいただき心に染入りました。Cancerのダッシュには癌撲滅の意志が込められているそうです。
JMTXの先生方のおかげで今週もさらに充実した日々を過ごすことができました。全米一のメディカルセンター、世界の最先端を見聞させていただき、心の底から感謝しております。
♢♢週末日記♢♢
金曜日の夜に兒子先生、松尾先生と学会でThe Galleria, Houstonにお集まりになった感染制御をご専門とされる先生方とご一緒させていただきTASTE OF TEXAS Restaurantのビフテキを堪能しました。分厚くジューシーでお肉のうま味をしっかり感じられ美味でした!また、カウボーイハットとバンダナを付けて写真を撮っていただくなどサービスにも感動しました。先生方の熱いディスカッションや数々の逸話をお聞きしとても楽しい時間でした!ご招待いただきお馳走になり本当にありがとうございます。
土曜日の今日はバレエの後、生まれて初めてモダンダンスのクラスに参加しました!日本ではなかなか教室がなく念願のモダンだったのですが。。。脊柱をまっすぐに保つバレエと異なり、モダンダンスはかがんで、転がって、up side downになり、どこを向いているのかどこを向くべきなのか分からなくなりました。無重力空間ってこんな感じなのかな。頭がこんがらがりましたが、脱力し自然な重心移動に身を任せることを学び良い経験ができました♪