病院見学の感想・大賀 遥

名前大賀 遥
所属University of Pennsylvania, School of Nursing, Adult Gerontology Primary Care Nurse Practitioner program
訪問期間2024年12月14日~12月21日
ヒューストンを訪問した理由・動機チューターとして所属しているJapan Team Oncology Program(J-TOP)を通じて、米国の医師やNPの方々のご協力のもと、MD Anderson がんセンターでのシャドーイングを実施しました。また、J-TOPの教育プログラム内でMD Anderson がんセンターが導入しているチーム医療体制(Multidisciplinary Cancer Care Approach)を学ぶ機会があり、現場の実践を間近で学びたいと思い、今回の訪問を計画しました。
滞在中に学んだこと 消化器外科の医師と血液腫瘍内科のNPのシャドーにつかせて頂きました。1週間のスケジュールは、月曜日に腹腔鏡手術を2件見学し、火曜・水曜日は血液腫瘍内科病棟、木曜日は血液腫瘍内科外来と点滴センターの見学、金曜日は消化器外科の病棟回診とランチョンミーティングへの参加という流れでした。
特に印象的だったのは、病棟回診でした。血液腫瘍内科の場合、医師、レジデント、薬剤師、NPの4名がチームを組み患者の病室を回ります。各患者の回診は15分前後で、患者や家族と治療の状況や検査結果を共有したり、患者の質問や不満にもその場で対応するため、患者が医療チームから取り残されることなく治療に参加できていました。また、多職種間で頻繁に短い議論を行っている様子も印象的でした。医師が治療方針の変更や他科コンサルの予定などをチームと共有し、薬剤師やNPが患者の副作用や併存疾患などのマネジメントをする役割を担っており、生産的で効率よく業務が進んでいました。Passionateな医療従事者たちが提供する患者中心の医療を間近でみることができ、MDアンダーソンがんセンターにおけるMultidisciplinary Cancer Care Approachの実践を学ぶことができました。
ヒューストン生活の感想テキサス州は経済規模が全米2位と言われています。その最大都市であるヒューストンは現在も人口が増加し続けており、街全体からHotさを感じました。気候もHotです。ヒューストンといえば「宇宙」という印象でしたが、街には芸術も溢れています。曜日によっては美術館に無料で入場できる時間帯があり、実習後によく訪問していました。また、スポーツ観戦もヒューストン滞在の醍醐味の一つです。バスケットボール、野球、サッカーの試合を観戦しましたが、どの会場も観客の大きな歓声とブーイングが響き渡り、その一体感に圧倒されました。その他にも、NASAのジョンソン宇宙センターの見学ツアーにも申し込みました。
週末には、Houston Methodist Hospitalが病院関係者限定でNRGスタジアムを貸し切って開催したイベントにも参加しました。超有名アーティストの演奏やサーカスなどを鑑賞でき、しかも無料で食事まで提供されるという、病院の資金力を実感した一日でした。食事に関しては、Tex-MexやTexas BBQ、crawfish(ザリガニ)が名物となっており、どれも美味しかったです。ヒューストンはベトナム系の方も多く、ベトナム料理もお手頃な価格で楽しめました。週末には兒子先生のご自宅でのホームパーティーにお招きいただき、先生のご友人や研究室の皆様と一緒に美味しい手料理
を囲むことができ、忘れられない楽しい思い出です。
エレベーターの中やお店のレジといった日常の些細な場面でも、気軽に声をかけ合い会話が生まれるなど、日本とはまた異なる楽しさを味わうことができました。その一方で、円安の影響もあって生活費を抑えることには苦労し、できる限り自炊をしていました。スーパーでは果物や野菜の価格が安く、肉類の品質も高く感じました。お店の棚に並ぶ食品の種類や価格を日本と比較するのも面白かったです。
宿泊先Airbnbを利用し、アパートメント群の1棟でメキシコから来た医師と2人でルームシェアをしていました。部屋は広く、敷地内にはプールやジムが完備されており、快適な生活を送ることができました。ホテルよりも安く宿泊できるため、ルームシェアに抵抗がない人にとっては良い選択肢だと思います。
病院までは徒歩25分程度で、METRORailを利用すれば15分程度でアクセスできました。また、宿泊先から徒歩5分ほどの場所にあるガレージから病院までシャトルバスが通っており、スーパーまでは少し距離がありましたが、交通面では便利でした。
治安については、日中は特に問題なく過ごすことができましたが、日が暮れた後の移動には注意したほうが良いときいております。
帰国前日には、ルームシェアをしていた医師とその友人たち6人でパーティーを開き、異文化交流できました。
コメント兒子先生、福田先生、生駒先生、大橋先生、木下先生をはじめJMTXの皆様には、大変お世話になりました。
ヒューストンで活躍されている先生方の姿を拝見し、今後の学習の大きなモチベーションになりました。また、滞在中に三菱重工業(株)の方々と交流する機会をいただき、このような貴重なつながりを築くきっかけを与えてくださったスポンサーの皆様にも心より感謝申し上げます。再びお会いできる際には更に成長した姿をお見せできるよう励んでまいります。改めてありがとうございました。