名前福田 夏波
所属聖路加国際病院 看護師
訪問期間2026年5月30日~6月14日
ヒューストンを訪問した理由・動機以前より、アメリカの医療現場で働くことや、NP(ナースプラクティショナー)というキャリアに強い関心を持っていました。その折、ヒューストンでの勤務経験を持つ森先生より本プログラムを紹介していただき、これまで医師の参加が中心であったこのプログラムに、看護師という立場から新たな視点を持って挑戦したいと考え、NP制度や教育プログラムが整っているアメリカの現場を直接見て、自身の今後のキャリア形成の参考にしたいと考えたことが、今回の訪問の動機です。
滞在中に学んだこと Houston Methodist Hospitalでは各専門ICU(CICU,NICU,SLICU,CVICU)で1日ずつ実習を行いました。各日プリセプターの看護師が付き、現地の看護師の仕事を体験するとともに、現地看護師との意見交換を通じて、日本の看護現場との違いを学ぶことができました。印象に残った点は、各ユニットに配置されているNP、看護アシスタントや医療機器スペシャリスト、PTなどの間で明確に役割が分担されており看護師はアセスメントや患者とのコミュニケーションに注力できる環境であったことです。患者ケアの方法は日本とは全てにおいて大きく異なり、看護という仕事をより俯瞰して見られるようになりました。環境や文化によって異なる看護実践を見られたことで自身の看護観や視野を大きく広げることができたと感じています。
また、ORでも見学を行い、悪性高熱のシミュレーションドリルに参加したり、ICU-OR間のシームレスな連携を知る一環で開胸手術の見学をすることもできました。ここでは、一分一秒を争う緊迫した状況でのコミュニケーション方法を間近で見学できた大変貴重な機会となりました。さらに、その現場で指導的な立場で現地のスタッフの指揮を執っている日本人看護師の姿を見て大きな刺激になりました。

NPの研修では、兒子先生にご紹介いただいたHouston Methodist Hospital のNPであるJenesiさん、松尾先生にご紹介いただいたMD Anderson Cancer CenterのNPであるKellyさんに同行し、外来やラウンドでの診療、処方・フォローアップ、多職種との協働の実際を学びました。ラウンドの際、NPは患者や家族に対して他の職種にはないNPならではの距離感とアプローチ方法で対話、情報収集をしていました。医師と同様の医学的判断に基づき処方や指示を行う一方で、看護師としての視点を失わずご家族の想いや背景にも深く寄り添いながら対話を重ね包括的なアセスメントを実践する、その視野の広さに感銘を受けました。私自身も将来的には広い視野を持ち、患者とその家族を全人的に支えられるNPを目指したいという思いが強くなりました。NPになる過程の実習中の看護師とお話する機会もあり、実際の教育課程や働きながらの進学についてなどを聞き自分のキャリアパスがよりクリアになりました。
福田先生の元でBen Taub Hospitalの創傷ケア外来や病院全体の見学も行い、社会保障制度の違い、人種・文化の多様性が診療計画や患者教育に与える影響を肌で感じました。

今回の実習で得た知見と皆さまとのネットワークは、私の看護観を大きく広げる貴重な財産となりました。この学びを自身の糧に研鑽を積み重ねていきたいと考えています。
 
ヒューストン生活滞在中は、兒子先生ご紹介でNPであり教鞭も執られているJenesiさん宅にホームステイし、NPのライフスタイルを肌で感じながら生活することができました。ホストファミリーからは地元で愛される “Whataburger”のカスタム方法や、本場のテキサスBBQ、Tex-Mexを複数の店で食べ比べなど現地の食文化や習慣を教えていただきました。
休日には八木さんの解説のもとNASAを訪れ、その壮大なスケールに圧倒されたほか、MLBの Astrosの試合を現地の方々と観戦するなどテキサスの日常を存分に楽しみました。
また、オースティンへ高速バスで足を運び、JMTXの高田さんにもお会いすることができました。オースティンの大自然の中でサイクリングや水泳を楽しみつつ、UT AustinキャンパスやSt. David’s Hospitalの見学も行いました。高田さんとの会話を通し日本人として現地で暮らし、働くことの実情を具体的にイメージすることができました。
また現地の方の紹介で日本で看護師を経て現在アメリカでNPとして活躍されている方ともお話することができ、具体的な進路や必要な手続きなど、先を見据えたアドバイスを伺うことができました。
更に、滞在中にはJMTX関係者の皆様との会食の機会をいただき、現地の日本人コミュニティの温かさに触れることができました。医療の枠を超えたこうした繋がりは、私にとって大きな励みとなりました。
 
宿泊先・Jenesiさん宅
・高田さん宅
・Hilton Houston Plaza/Medical Center(Methodistまで徒歩5分程)
コメント研修実現にあたりご支援いただいたJMTXの皆様と、現地で温かく迎えてくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今回得た知見を活かし邁進してまいります。