Dr. Eriのウェルネスコラム

海外生活で「なんとなく不調」が続く理由

はじめまして。茨木えりと申します。

私は産業医として働く医師であり、あわせて Total Wellness Advisor(TWA)として、

運動・食事・睡眠・メンタルといった生活全体の視点から体調管理をサポートしています。

また、私自身も海外で生活する日本人の一人です。

医師として多くの方と関わる中で、

「もっと早く体を大切にしていればよかった」

「忙しさを理由に、体のことを後回しにしてしまった」

という言葉を耳にしてきました。

大きな病気が見つかってから初めて、

生活の乱れや無理の積み重ねに気づき、

後悔される方も少なくありません。

病気になる前の段階で、体を整えることができていたら…。

そう感じる場面を、これまで何度も経験してきました。

海外生活を送っていると、

「大きな病気はないけれど、なんとなく体調がすっきりしない」

と感じることはありませんか。

疲れが取れにくい、体が重い、集中力が続かない。

検査や健康診断でも大きな異常はなく、日常生活は送れている。

それでも「以前のような調子が出ない」と感じる方は、実は少なくありません。

駐在員として忙しく働いている方や、

帯同家族として新しい環境の中で生活を支えている方、

また長年アメリカに住んでいる方。

いろんなバックグラウンドの方から、こうした声を伺う機会はとても多くあります。

医師として、また海外在住者として感じるのは、

こうした状態の多くが病気ではなく、

生活と環境の変化によるものだということです。

海外生活では、知らず知らずのうちに生活の前提が変わります。

食事の内容や時間、歩く量、睡眠の質、

言葉や文化の違いによる緊張感。

たとえば、日本では通勤や買い物で自然と歩いていたのに、

海外では車移動が中心となり、

1日の歩数が大きく減っているケースも少なくありません。

一つひとつは小さな変化でも、

積み重なることで体のバランスに影響します。

特に影響を受けやすいのが、自律神経やホルモンの働きです。

これらは検査値には表れにくい一方で、

疲労感や気分、体重変化、睡眠の質などに大きく関わっています。

そのため、

「病院に行くほどではないけれど、調子が悪い」

という状態が続くことになります。

大切なのは、この段階で

「年齢のせい」「気のせい」と片付けてしまわないことです。

体は、病気になる前からサインを出しています。

体調がすっきりしない感覚は、

生活を少し見直してほしいという体からのメッセージとも言えます。

たとえば、

・食事のリズムが乱れていないか

・思った以上に体を動かしていないのではないか

・眠る直前まで頭を休める時間が取れていないのではないか

・「回復する時間」を後回しにしていないか

こうした点を整えるだけでも、体調が変わる方は多くいます。

医療はとても大切ですが、

すべての不調が治療を必要とするわけではありません。

病気になる前の段階で、生活を整えること。

それが、海外生活を長く健やかに続けるための大きな土台になります。


この連載では、

海外在住日本人の方に寄り添いながら、

日常生活の中で気づき、実践できる

「病気になる前の体の整え方」をお伝えしていきます。

体調がすっきりしないと感じたとき、

ご自身の体と向き合うきっかけになれば幸いです。

無理に完璧を目指す必要はありません。

できるところから少しずつ整えていくことが、

結果的に大きな変化につながっていきます。

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