7. オンライン診療

オンライン診療とは、医療機関で実際に診察を受ける代わりに、スマートフォンやコンピューターを利用してインターネット経由で受ける診療のことを指します。Telemedicine, virtual visit, telehealth, video visit, e-medicineなどと呼ばれています。 

アメリカでは新型コロナウイルス感染症流行前から規制を伴いつつもオンライン診療を導入していました。そして、新型コロナウイルス感染症をきっかけに、感染防止を行いながらも医療へのアクセスを確保できるよう規制が緩和され保険適用の対象が拡大されたため、利用者は劇的に増加し、サービスも多様化、向上しました。「医療機関が近くに存在しない地域に住む人たちのためのもの」から「医療保険に加入していなくても、どこからでもいつでも受診できる便利なサービス」に変容したのです。

この章では、オンライン診療の種類やかかり方について説明していきます。

1. オンライン診療を提供している医療機関と担当医師

おおまかに以下の3つに分かれます。

TeladocAmwellなどオンライン診療を専門とする医療機関がオンライン診療を提供

Houston MethodistのUrgent Careのように病院がオンラインで急性の病気を単発で対応

③開業医や病院のクリニックが普段の診療をオンラインという形で提供

利便性としては、①や②は必要な時に予約なしにウェブサイトから直接診察を申し込めるので急性の病気を患った時に非常に便利であるのに対し、③は普段の診療の一環なので予約が必要で、急性の病気になった時にかかりつけの小児科医、内科医がスケジュールがたまたま空いていたから予約できたなどの一部の例外を除けば、急性の病気を扱うことは少ないです。②と①の大きく異なる点は、その病院での自分の電子カルテを参照にしてもらえたり、検査や治療が必要になった時に、「XX病院なら新型コロナウイルス感染症のカクテル抗体療法を受けられる」「検査はXXでできる」「XX科ならばXX病院がよい」などローカルな情報を医師が知っているかもしれないことが挙げられます。

担当している医師は、①や②の場合、診療を受ける患者が居住する州で診療する資格を持つ内科医、家庭医療医、救急医、小児科医などです。精神科のカウンセリングや皮膚科など専門分化されたサービスを提供している場合は、専門医が担当します。

2. オンライン診療で対応可能な疾患

風邪や下痢、アレルギーなど一回の診察で終わる急性の病気が大半を占めますが、糖尿病、高血圧などの慢性疾患の管理、禁煙、ダイエットなどかかりつけ医が普段行うサービスを提供したり、精神科のカウンセリング、性行為感染症の診療などサービスも多様化してきました。医療機関によって対応可能な疾患が異なりますので、ウェブサイトで確認しましょう。

息が苦しい、気を失ったなどの緊急を要する場合は救急に行く必要があります。ケガの処置や点滴など対面での診察や治療が必要な場合もオンライン診療には向いていません。専門医による診療は限られています。

3. オンライン処方

オンラインでの受診の際に、自宅の近くの薬局を医師に伝えると医師は処方箋をオンラインで指定された薬局に処方する仕組みになっているので、オンライン診療でもきちんと薬は処方してもらえます。また薬局によっては自宅まで郵送してくれるシステムがあるところもあります。

オンライン診療で処方してもらえる薬の種類としては、咳止めやアレルギーの薬など急性の病気を治すための薬がほとんどで、高血圧や糖尿病など慢性の病気の薬がきれてしまった時に処方してくれるところもあります。プライマリケアサービスを継続的に提供する場合は慢性の病気のための薬を継続的に処方してくれるところが多いです。麻薬性鎮痛剤の処方はしないと明記しているウェブサイトがほとんどです。pre-authorizationが必要な高価な薬や珍しい薬の処方はほぼなしと考えられます。診察前にウェブサイトを確認して、不明な点は診察時に医師に確認しましょう。

4. 検査

血液検査や尿検査などが必要な場合は、Quest Diagnosticsなどの独立した検査機関にオンラインでオーダーを送ってもらって、診察終了後に検査を受けにいくことになります。臨床検査技師や放射線技師など検査場にいる技師のみで検体を採取したり検査を行える検査に限られていて、新型コロナウイルス感染症の鼻咽頭ぬぐい液PCR検査など医師や看護師しか検体を採取できない検査は行えません。また、検査結果がどうやって医師に送られるのか、どの医師が検査結果をみてくれるのか、診察時にきちんと確かめてから検査を受けましょう。

5. 費用

利用するオンライン診療の医療機関が契約している医療保険のin networkである場合、自己負担がない場合もありますし、co-payが発生する場合もあります。利用を申し込む時に保険情報を入力すると、保険適応の程度と料金が提示されることが多いので、クリニックでの診療に比べると明朗会計であることが多いです。余裕があれば、事前に自分の医療保険会社にその医療機関がカバーされるか自己負担はどれくらいかかるか確認しておいた方が安心です。また、保険がない人、持っている保険が効かなく自己負担する人は一回OOドルとウェブサイトに書いてあることが多いです。

6. 日本語通訳

CVS MinuteClinic Virtual CareHouston MethodistのUrgent Careのように無料通訳を提供してい医療機関もあります。その場合、ビデオ通話を患者、医師、通訳の3者で行うことになるのが一般的です。

7. オンライン診療までの流れ

①自分の需要に合ったオンライン診療を提供している医療機関を探す。

口コミに加え、ウェブサイトの検索エンジンなどからも検索できますが、契約している医療保険のウェブサイトにログインして、in networkのオンライン診療を提供してい医療機関を探すこともできます(その場合は、自分の保険がカバーすることが分かるので安心ですね)。

②ウェブサイトから申し込みをする。

・電話番号や保険情報などの個人情報、内服薬のリスト、使用している薬局、受診理由などをウェブサイトに沿って入力する。

・遠隔医療同意書(Telemedicine Consent form)などにサインする。

・保険のカバー、自己負担額の確認

 ・診察中にインターネットのコネクションが切れてしまった時にどうなるのか、診察後に質問が出てきたとき、診断書などを書いてもらう必要がでてきた時は連絡できるのか、なども確認しておきましょう。診察後にお願いするのができない場合、連絡をとるのがものすごい大変な場合も多いので、質問すべきこと、お願いすべきことを診察中にすべてできるように必要に応じてメモをとっておくのもいいかもしれません。

・ZoomやWebExなどのアプリがオンライン診療に必要な場合はダウンロードする。

③診察

 申し込みから診察までそのまま進む場合は、ウェブサイトから申し込みをすると、医師が診察に応じられるようになるまでそのまま待機する場合と準備ができたらEメールや携帯のテキストが送られてくる場合があります。診察を予約する場合は、予約時間より少し前にログインします。

<最終更新日:1/2023 福田由梨子>

参考サイト

Teladoc: https://www.teladoc.com/

Amwell: https://patients.amwell.com/

Quest Diagnostics:  https://www.questdiagnostics.com/

Houston Methodist: https://www.houstonmethodist.org/pcg/virtual-urgent-care/

CVS MinuteClinic Virtual Care: https://www.cvs.com/minuteclinic/virtual-care

イシャチョク: https://ishachoku.com/column/7229/?cats_not_organic=true