Dr. Eriのウェルネスコラム
7.健康になりたいのはなぜ?〜「人生をもっと楽しむための健康」という考え方〜
「健康が一番大事。」
私たちは、よくそんな言葉を耳にします。
では、ひとつ質問です。
あなたは、なぜ健康になりたいのでしょうか。
病気になりたくないから。
長生きしたいから。
もちろん、それも大切な理由です。
でも私は医師として、そしてウェルネスに携わる一人として、健康の本当の価値は、その先にあると考えています。

健康は、人生の目的ではありません。人生をもっと楽しむための土台です。
私たちは、ただ健康そのものを手に入れたいのではありません。
健康でいることで、自分らしい人生を送りたいのです。
例えば、旅行先で思いきり景色を楽しみたい。
大切な人と笑いながら食卓を囲みたい。
好きな仕事を、長く続けたい。
朝、気持ちよく目覚め、「今日も一日頑張ろう」と思える自分でいたい。
こうした日々の積み重ねこそが、多くの人が本当に望んでいることではないでしょうか。
だから私は、「健康」という言葉と同じくらい、「ウェルネス」という考え方を大切にしています。
WHOも、健康を単に『病気がないこと』とは捉えていません。身体だけでなく、心や社会とのつながりも含めて良好な状態であること。そう考えると、健康診断の数字だけでは測れない『健康』があることに気づきます。
たとえ健康診断の結果がばっちりでも、毎日がつらく、笑顔がなく、やりたいことができない。
それを、本当に「健康」と呼べるでしょうか。
一方で、病気や障害を抱えながらも、自分らしく充実した毎日を送り、生き生きと暮らしている人もたくさんいます。
だからこそ私は、「健康」だけでなく、「ウェルネス」という考え方を大切にしたいと思っています。
ウェルネスというと、特別な健康法やストイックな生活を思い浮かべる方もいるかもしれません。
でも、本来のウェルネスはもっと身近なものです。
朝、気持ちよく目覚めること。
仕事や趣味に前向きに取り組めること。
誰かと笑い合えること。
心から「今日もいい一日だった」と思えること。
私はウェルネスを、「毎日ずっと笑顔でいること」だとは思っていません。
落ち込む日もあります。
疲れて何もしたくない日もあります。
思いどおりにいかず、不機嫌になったり怒ったりする日だってあります。
それでも、自分の心と体をいたわりながら、少しずつ自分らしさを取り戻し、「ご機嫌でいられる時間」を増やしていくこと。
私は、それもウェルネスの大切な姿だと考えています。
運動も、睡眠も、食事も。
これまでこのコラムで取り上げてきたテーマは、すべてそのためにあります。
健康になること自体がゴールではありません。
人生をもっと楽しみ、自分らしく、ご機嫌に生きること。
その土台として心身の健康があり、その健康を育む考え方がウェルネスなのです。
これからも、このコラムでは、運動・食事・睡眠だけでなく、ストレスとの付き合い方や人とのつながりなど、「ご機嫌に生きるためのヒント」を、医師として、そして一人の海外生活者として、皆さんと一緒に考えていきたいなと思います。
あなたは、健康になったその先で、どんな毎日を送りたいですか?
このコラムが、皆さんにとって「健康とは何か」を改めて考えるきっかけとなり、人生をより豊かにするヒントになれば幸いです。
参考:World Health Organization (WHO), Constitution of the World Health Organization; Ottawa Charter for Health Promotion (1986)
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